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SIerやSESからITコンサルを目指すとき、多くの人が最初につまずくのは求人探しではありません。「その求人が本当にコンサルの仕事なのか」を判断できないことです。
本記事では、その理由を先に説明します。そのうえでエージェントの選び方と、自分で会社を確認する方法を整理します。
ITコンサルの求人が比べにくいのは、「ITコンサルタント」という職種が公的なスキル標準に存在しないからです。同じ職種名でも、要件定義が中心の会社と、システムの導入・実装が中心の会社が並びます。
だから求人票の外側を確かめてくれる相手がいるかで差がつきます。エージェントを使う理由はここにあります。
選ぶときは知名度より、コンサルファームの選考を扱えるかで見てください。
エンジニアITコンサルの求人、どれも似たことが書いてあって選べません
テック先輩それは書き方の問題じゃないよ。職種の決まりが国の側に無いんだ
前提「ITコンサルタント」は求人票ごとに中身が違う
まず前提を1つ押さえます。この職種名には、公的な定義がありません。
IPA(情報処理推進機構)の「DX推進スキル標準」が定める人材類型は6つ(ビジネスアーキテクト/デザイナー/データサイエンティスト/データマネジメント/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ)で、「ITコンサルタント」はここに含まれません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査にも独立した区分はなく、最も近いのは「システムコンサルタント・設計者」という広い括りです。
つまり「ITコンサルタント」は、各社が自社の都合で名付けている職種名です。国が中身を揃えているわけではありません。
IPAの類型で最も近いのは「ビジネスアーキテクト」で、定義は「ビジネスや業務の変革で実現したい目的を定義したうえで、経営視点で最適なビジネスモデルと業務プロセスを設計し、戦略を行動に落とし込み、成長サイクルを生み出しながら、関係者をコーディネートしプロセス全体を牽引して成果を創出する役割」とされています。
出典: IPA「DX推進スキル標準(DSS-P)」/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
SIerとITコンサルの線引きそのものはこちらの記事で5つの軸に分けて整理しています。ここでは求人の見分け方に絞ります。
エンジニア職種名が同じでも中身が違う、ということですか
テック先輩そう。だから中を知っている人に聞くのが早いんだよ
仕組みなぜ求職者は無料なのか——法律が決めていること
エージェントが無料な理由は、サービスの気前の良さではありません。法律で決まっています。
職業安定法 第32条の3 第2項は、こう定めています。
「有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。」(例外は、厚生労働省令で定める要件を満たし、かつ芸能家や家政婦(夫)など条文が挙げる職業である場合に限られます)
1報酬は採用した企業から出る
求職者から取れない以上、紹介会社の収入源は採用した企業側です。ここは仕組みとして知っておいてください。
無料だから遠慮する必要はまったくありません。同時に、担当者の提案が常に自分の利益だけを向いているとも限らない、という前提で聞くのが健全です。
2だから「決めさせようとする力」は働きうる
採用が決まって初めて紹介会社の収入になります。急かされたと感じたら、その構造を思い出してください。
断っても費用は発生しません。ここが分かっていれば、面談は情報収集の場として使えます。
エンジニアタダより高いものはない、とつい身構えてしまいます
テック先輩法律で求職者からは取れない仕組みだからね。構造を知って使えばいい
注意ITコンサル転職でエージェント選びを間違える3パターン
登録しても進まない人には、共通する型があります。3つ挙げます。
1エンジニア向けエージェントだけで探す
ITエンジニア特化のエージェントが持つ求人は、開発・運用の職種が中心です。コンサルファームの求人を扱っていないことがあります。
行き先がコンサルなら、コンサル領域を扱う会社を1社は混ぜてください。
2ケース面接の対策があるかを確認しない
コンサルファームの選考には、その場でお題を出して考えさせる面接が含まれることがあります。開発職の面接とは進み方が違います。
対策を用意しているかどうかは、登録前に公式サイトで確認できます。
31社だけ登録して待ってしまう
紹介会社が持つ求人は会社ごとに違います。1社だけだと、その在庫しか見られません。
2〜3社の併用が基本形です。重複したら、対応の丁寧なほうから応募すれば済みます。
- ファームごとの選考の型を教えてもらえる
- 未経験からの職務経歴書の書き換えを相談できる
- 戦略・総合・IT・シンクタンクの違いを整理できる
- 今の技術経験がいくらで評価されるかが分かる
- コンサル以外の行き先も並べて比べられる
- 開発職に戻る選択肢を残したまま動ける
どちらが上ということはありません。行き先を決めきる前なら、両方に登録して比べるのが早いです。
レバテックダイレクト|登録だけでもOK・登録は無料|いつでも退会OK
エンジニアコンサルに行くと決めきれていないんですが、それでもいいですか
テック先輩むしろ決めきる前のほうがいい。比べる材料が要るからね
比較ITコンサル転職で使うエージェント3社の比較
当サイトで扱っている3社を、使いどころで整理します。
| サービス | 型 | 公式が示す対象領域 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| Strategy Career | エージェント型 | コンサルティングファーム、M&Aブティック中心のハイクラス | 年収帯を上げる前提でファームを狙う |
| MyVision | エージェント型 | BIG4・戦略・総合・ITコンサル・シンクタンク・FAS | コンサル未経験から選考対策ごと相談したい |
| レバテックダイレクト | スカウト型 | ITエンジニア・デザイナー(約60職種) | 今の経験の市場評価を先に見たい |
※対象領域は各社公式サイトの記載(2026年9月時点)に基づきます。条件は変わることがあるため、最新は各公式サイトでご確認ください。
ITコンサル転職で使いたい
転職エージェント3選
求人票の職種名だけでは、仕事の中身までは分かりません。
コンサル領域を扱う会社を1社は混ぜて、2〜3社を併用するのが基本形です。
Strategy Career(ストラテジーキャリア)
株式会社明光キャリアパートナーズ
公式サイトで「コンサルティングファーム、M&Aブティックを中心としたハイクラス特化の人材紹介サービス」と説明されている紹介会社です。行き先がファームに寄っているため、年収帯を上げる前提の相談に向きます。
- コンサルファーム側の求人を軸に提案が来る
- SIer・SESでの経験をファーム向けに言語化してもらえる
- 年収と働き方の条件を整理してから応募できる
MyVision(マイビジョン)
株式会社MyVision
コンサル業界に特化した紹介会社です。公式サイトでは支援領域としてBIG4・戦略系・総合系・ITコンサル・シンクタンク・FASが挙げられ、転職者の約8割がコンサル未経験と公表されています。
- ケース面接を含む選考対策が公式のサービス内容に挙げられている
- ファームごとの違いを前提に求人を出してもらえる
- コンサル未経験からの相談を前提にしている
レバテックダイレクト
スカウト型のIT転職サービス
登録しておくと企業から声がかかるスカウト型です。公式サイトでは「全ての機能を無料でご利用いただけます」と明記されています。コンサルに行くかを決める前に、今の経験の評価を見る用途で使えます。
- 登録しておくだけで反応を観察できる
- 提示年収から今の市場での評価が見える
- コンサル以外の行き先も同時に比べられる
テック先輩各社が出している実績の数字は自社発表だから、そのまま鵜呑みにはしないでね
確かめ方許可番号で、その会社を自分で確認する
人材紹介は誰でも始められる商売ではありません。厚生労働大臣の許可が要ります。
有料職業紹介事業の許可番号は、各社の公式サイトに掲載されています。今回の2社は次のとおりです。
- 株式会社明光キャリアパートナーズ(Strategy Career):13-ユ-314857
- 株式会社MyVision:13-ユ-314719
この番号や会社名は、厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトで検索できます。
東京労働局の説明では、「職業紹介事業者は、厚生労働省の運営する人材サービス総合サイトに職業紹介の実績に関する情報提供を行うことが義務付けられています」とされています。
口コミを100件読むより、許可番号を1回引くほうが確実です。名前を聞いたことがないサービスに登録する前に、まずここを見てください。
エンジニア許可番号なんて気にしたことがありませんでした
テック先輩公式サイトに書いてあるものだから、探すのは1分もかからないよ
次の一手面談で必ず確認する3つのこと
担当者に会ったら、求人票に書いていないことを聞きます。この3つで案件の中身がかなり見えます。
1そのポジションの成果物は何か
資料なのか、動くシステムなのか。ここでコンサルらしい仕事かどうかがほぼ決まります。
2案件の平均的な期間と稼働場所
数か月で入れ替わるのか、年単位で同じ客先にいるのか。後者はSIerでの働き方とあまり変わりません。
3直近に入った中途の人は残っているか
定着はいちばん正直な指標です。答えを濁されたら、それ自体が情報になります。
テック先輩この3つを聞ける関係をつくれる担当かどうか。選ぶ基準はそこでいいと思うよ
よくある質問
エージェントの利用は本当に無料ですか
求職者側は無料です。職業安定法第32条の3で、求職者から手数料を徴収することは原則として禁じられています。
ITコンサル未経験でも相談していいですか
問題ありません。MyVisionは公式サイトで、転職者の約8割がコンサル未経験と公表しています。
各社が出している「年収アップ額」や「通過率」は信用できますか
各社が自社の実績として公表している数字です。第三者が検証した数字ではないため、参考程度に見てください。
何社くらい登録すればいいですか
2〜3社が目安です。多すぎると連絡の管理が負担になり、かえって対応が雑になります。
まとめ
- 「ITコンサルタント」はIPAのDX推進スキル標準の6類型に含まれず、賃金構造基本統計調査にも独立区分がない
- だから求人票の職種名だけでは中身が判別できない。比べる相手が要る
- 求職者が無料なのは職業安定法第32条の3で手数料の徴収が原則禁止されているから。報酬は採用企業側から出る
- 失敗パターンは「エンジニア向けだけで探す」「ケース面接対策を確認しない」「1社だけ」の3つ
- 登録前に許可番号を人材サービス総合サイトで引くと、その会社の実在と実績を自分で確認できる
- 面談では成果物・案件期間と稼働場所・中途の定着を確認する
まずは1社、話を聞くところから始めてみてください。
Strategy Career|登録・利用すべて無料|いつでも退会OK
出典
- IPA「DX推進スキル標準(DSS-P)について」
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(職種別データはe-Statで公開。職種コード1101「システムコンサルタント・設計者」)
- 厚生労働省 法令等データベース「職業安定法」第32条の3
- 東京労働局「人材サービス総合サイト」
- STRATEGY CAREER 事業紹介(株式会社明光キャリアパートナーズ)
- 株式会社MyVision 会社概要
- レバテックダイレクト 公式サイト
